新刊 『いとしの自家製』。ちょっと本のこと。
「 いとしの自家製 ~ 手がおいしくするもの 」
すでに手にしていただいた方、ほんとうにありがとうございます!
この本は、実は 拙著 「一週間のつくりおき」 を作るときに、いとしの自家製!先につくりたい~!と私が言ったところ、 大木編集長にやんわりと、次にしよう・・・と言われた本なのです。(さすがのご判断!)
以来、いつか・・・と思っていて、この度 実現しました。うれしい。
本書の冒頭にも書いたのですが、自家製って・・いろんな力があるといつも思います。
キャッチになっている、“自家製ってだけで5割増し!”です。
いつも、代官山の自家製のクラスでも、「自分で作ったってだけで、おいしいから、プラス500点だから 」と言う私。ほんとだから。
だってねえ、忙しい日々なわけです。そこを、なんとかして、作るわけです。なんだか、時間の流れも、むかしよりもずいぶん速くなっているような気がする中で、
半年待ったり、1年待ったりもする。それがほめられないわけない。むかしとは違って、自家製は、決して!当たり前ではないから。
おいしい梅干しも、明太子も、いくらも、ジャムも、巷に溢れているし。
じゃなんで?っていうと、愛でしょ、愛、って感じかな~と思います。
そして、やってみると、意外に簡単で、かえって、ちょっと自分が癒されたり、気分を切り替えられたりするなーと思います。
美術館へ行ったり、旅に出たり、非日常なことをして癒されるのと似ている。しかも、成果物は喜ばれる(はず・・)。
信頼する編集者さんから、「自家製礼讃ぢゃないのがいいね。」と言われました。
そうです、です、やるとえらい、ちゃんとしてるとかじゃなく、楽しい、おいしい、で時々やってみてください。
撮影は何回かに分けてやらせてもらいました。
青ゆず、新生姜、栗、レモン、いちじく、と、どうしても季節の食材そのものを美しく、エネルギー伝わるように撮ってもらいたくて、お願いしました。写真、見ていただくと、納得してもらえる?かと思います。青ゆずのこと、がんね栗のこと、和歌山の新しょうがのこと、生口島のレモンのこと、静岡のイチジクのこと、これから順に、出会いについてもご紹介したいなー、と思っています。
それにしても、長谷川バーボンさんの写真のすばらしきかな。エロないちじく、老練な栗、危険な感じの青ゆず、人のよさそうな新ショウガ。これだけでも見ていただきたいな〜と思います。
※個人的に、寂しそうなコチュジャンの写真、横にいるバンコクで買ってきたスプーン、かなり好きです。(笑)
本を作るのが、本当に厳しい中で(紙の本が、雑誌から何から売れないみたいで、いろいろ大変なのですよう。)贅沢に撮影させていただいて、ほんとうにありがたく、こんなに嬉しいことはありません。
また、梅ぼしの工程や、梅そのものの写真、らっきょうの工程写真などは、私がパチリと。巨匠の写真の中に、ちらほら混ざっています。
そして、デザインは、私の初めての本「もてなしごはんのネタ帖」(講談社)をデザインしてくださった、高橋良さんにお願いしました。通称、ピンク本!です。あの印象的なピンクの表紙以来、ずっといつかまたお願いできたらと思っていて、やっと叶いました。
デザイナーさんを誰にするか?なんてことに、口を出したことはないのですが、はじめて、こそっとつぶやいてみたら、編集長が叶えてくれました。
実は、最初、表紙が地味かな?とか逡巡したりしていたのですが、完成したら、大好きな表紙に。清潔感、透明感のあるデザインで、うれしい。 かといって、自家製と言えば・・な昭和感満載ではなく、 モダンで。 (ついでに、スタイリングもそこを目指しました。)
撮影中も、高橋さんはプロセスをカッコよく撮りたい、と長谷川さんにおっしゃっていて、それがぬか漬けや、味噌や、いくらや、表紙に。 私の推定75歳と言われる手もなんだかかっこよく(気のせいか!)。
と・・・こんなに、やっていただきながら、私の原稿がものすごく遅くて・・・おそくて、オソクテ・・・。編集をしてくださった北條さんに甚大なご迷惑をおかけしました。大事なところできりりとリードしてくださり、この本が完成にこぎつけたのは、北條さんのおかげです。
とまれ、どうしても作りたかった、自家製の本が生まれました。
本書の最後に書きました。「手がおいしくするものがある。」
それを拾って、サブタイトルにしてくださった、大木編集長、北條さん。このサブタイトルを見たとき、なんかすごく嬉しくなりました。
本って、みんなで作る・・・至極当たり前のことを改めて感じました。
たくさんの方に手にしていただき、あなたの “いとしの自家製” を、その手でつくってもらえたらうれしいです。
あ、まだお手元にない方は ↓ ↓ ↓ ぜひ、だまされたと思って♪
###