一週間のつくりおきと、おかずのもと と 宿題


新刊の「1週間のつくりおき」ができるまで。

はじめて、担当してくださる編集者Kさんをご紹介いただく日。やはり、本をいっしょにつくるからには、まず食べてもらいたいのです・・・ということで、代官山のスタジオで、お昼ごはんをご用意しました。

その実、食べてみなければ始まらないと、私は思っています。やや話がそれますが、私の最初の紙の本は、その出版社の料理編集者歴20年?の編集の方が、晩ごはんを食べに来て下さったことからスタートしました。

「目で見て、どんなにきれいで美味しそうな料理でも、たべていない料理を読者に紹介するわけにはいかない」という彼女の言葉、とても印象に残っています。

ということで、その日ご用意した献立のすべては覚えていないのですが、いちばんだしで吸い物と、白和えなどの小鉢がいくつか、シンプルな炊き込み系の土鍋ごはん?みたいなものだったと思います。若くて、ワインが好きで、造詣が深く・・・とうかがっていたのに、まあ、ほぼ和食のお昼ごはん、どうかな~と思いながら。

でもそこで、Kさんがおいしい!と言ってくれて、何よりほっとしたことからスタートしました。

まあ、でも考えたら不思議なことでしょう?それまでなんのつながりもない初めて会う人に手料理をふるまうなんて機会は、あまりないものです。なので、毎回ドキドキドキドキ・・・します。それでも最近は、なんといっても、私の料理や、料理で伝えたいことを理解していただき、読者の方に伝えなけらばならないのですから、とにかく、お仕事する方々には、1品でも多く食べてみてほしいと、思うようになりました。

s-焼き豚

かくして、Kさんとの本をめぐる打ち合わせの日々が始まります。

実は、はじめ、私がどうかな?とお話してみたのが、自家製の本。

私は自他共に認める自家製マニアだし、教室でも自家製のクラスがあって、柚子胡椒や梅関係などの季節ものから、コチュジャンやマスタードなどまでやっています。めんつゆや合わせ酢、そして味噌はもちろん、さまざまな調味料や果実酒、そのアレンジ、レモンチェッロに甘酒、さらにはパンチェッタ、サルシッチャなど、ど真ん中の定番から、ちょっと作り方を変えているモノまで、自家製大好きなので。

でも、話を重ねていくうちに、もう少し短い周期での自家製ともいえる、おかずの素を紹介する本は?ということに。私自身、最初のピンク本でも、おかずの素、という章をつくるほどだったので、引き出しも多いつもり?でした。なにより自分自身が、おかずの素に助けられてきたから。

そのまま食べてもおいしいけど、プラスαの手間をかけたら、また味わいの違う一皿になる。

おかずを作りだめる、というニュアンスではなく、下ごしらえや仕込みに近いニュアンス。ここまでやっておくと、おいしくなるよ♪ しかも、あとは1ステップでいろんな料理に化ける。

例えば、本にも掲載したゆで鶏。酒と水でゆでておくだけですが、ゆで方に大事なコツがあります。このコツだけをしっかり守っていただけたら、しっとりした蒸し鶏のような鶏になるので、そのまま食べてもおいしい、ちょっとしゃれたたれを、ちゃちゃっと2種類くらい用意したらお客さまにも。さらに、生の鶏をそのまま焼いたり、あげたりするより、これを使った方がぐっと美味しくなる展開料理もたっくさんある。もちろん、ゆで汁はだしとして活用できます。

それって、巷で流行りのつくりおき?だけど、ちょっとポジティブなつくりおき。作りだめしたおかずで何日か乗り切ると言うより、賢く仕込んでおいて、毎日のごはんが楽しくなるような、料理が好きになるようなつくりおきを伝えたい。

そして、これをやってるうちに、料理の理の部分が身について、ぐんと料理の腕も上がる・・そんな本にしたい・・と。

そんな私の気持ちを形にしてくれるべく彼女がすごいな、と思ったのは、「じゃ、1週間分、それでやってみましょう!と。働く人やママたちは、1週間の方向がおおむね決まっていたら助かるんです♪」と。

なるほど。私もそれはわかる。

よく私がやる手法(笑)は、例えば、塩漬け豚なら、初日はゆで豚。次の日は全く違うものにして、その次の日に、塩漬け豚のグリル。例えば、中華風の肉みそなら、初日は麻婆豆腐、次の日は使わずに、その次の日にオムレツの具に。この、明後日攻撃は、家人の幸福感も満たし、私の「えらいぞ!私」感も満たし、なにより、おいしい、飽きない、罪悪感がない。

じゃ、おかずの素をベースに、1週間のつくりおきの本にしましょう!!

「早速ですが、りこさんはそんなことないと思いますが・・・、1週間分を1日で買い物して、週末の1日で、まあ、2時間くらいで仕込む。週の途中で買い足しは、ほぼしないってことで、考えてみましょう!」

おーーーーー!!

彼女からの宿題でした。で、週にもう1回くらい買い物行こうよ~泣、と思ったりしながら、考えてみたのが、冒頭の週末2時間仕込みの1週間献立です。

今回、この通りにやってみた!という声を、教室で聞きました。おいしくできてご両親がすごく喜んでくれたとか。でもそのご報告いただいて一番うれしかったのが、「ごみがほんとに少なかった」「洗いものも少なかった」「ゆでたり、塩もみしたりのコツがわかって、ほかでもやるようになった」というお話。そして彼女は、2時間を少し超えたけど、ぜんぶできた、と。

まさに、Kさんの狙いぴったり!

これまでも仕込みの本はたくさんあったと思いますが、私としては+α、食卓が少し華やぐような、時々は作っている自分のテンションが ↑あがる↑ しゃれたものも作りたいっていう気分も満たせるような、そんなレシピも。

で・・・少し戻ると、こうしてKさんに、私からレシピ案を出す日々が始まりました。そこで、ちょっとびっくりしたことが・・・・。このお話は次回に。

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こちらは、作ってくれた人、ほぼ100%が大好きと言ってくれる、手羽中の酢醤油漬け。しっとりとゆでておいた手羽中でつくります。生の手羽中からではなかなかできない、しっとり感がポイントです。そして、甘みを入れないのも、私的にはポイント。漬けておくので、2,3日は食べられますし、お弁当にも。でも、作った日に売り切れになる・・という声多し、嬉。

「一週間のつくりおき」 http://www.amazon.co.jp/dp/4835628098/

 

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