じゃがいもも、スイカも、関税撤廃!?今起きていることはなに?


TPPのこと。

いい面も悪い面もあるし、それぞれがどんな仕事をしているかによっても、どこを見るかが違うと思いますが、今朝の新聞で野菜の関税撤廃の容赦のなさにちょっと驚きました。日本の野菜も、一切の下駄をはかせてもらうことなく、世界で競争することになるわけです。

と言うと、世界で選ばれる 競争に勝てる野菜を〜とかおもっちゃうスーパーポジテイブな人は素晴らしいと思うので、ぜひそのまま頑張ってください。 よくこの関連の話になると、競争力があって、付加価値の高いものを作ればいいという話になります。例えば、すごいお米とか日本にしかない野菜とか、あるいは完全な自然農法で、直接売って・・とか、1センチのミニきゅうり作ったら買ってくれるシェフがいて・・・とかそんな話になったり。

しかし、考えれば、そういう農業は全体の中のものすごい少数派だからこそ、話題になるのです。多くの農家は十年一日、いわば普通に野菜をつくっているのではないでしょうか?(もちろん、切磋琢磨したほうがいいわけだし、付加価値があった方がいいわけですが)  そういう農家の方々がどうなるのか? 不安でないはずがないと思います。  (私は、簡単に付加価値のあるものを作れば・・・とか、売り方を変えたら?とかそういう都市型&都会のエゴ的な発想が ち~と苦手です。ここでは深堀しませんが。)

翻って、私たち買う側。

今新聞を読んでいても、アメリカ産のスイカと熊本のスイカがあったら、熊本買うし!とか、じゃがいもは長崎産が世界一とか思っているかもしれない。 私もそう思います。 しかし、現実に、日常的に アメリカ や ニュージーランドの野菜が安価で並ぶようになったらどうでしょうか? アメリカに住んでいた時、アメリカのじゃがいも おいしいな、と何度も思いました。特に、九州と同じ 煮とけない系は 味もしっかりあって おいしかった。 人参もものすごく人参の味がしたり。 そういうアメリカでも最高においしい エースの部類が入ってくることはないでしょうけど (肉も、幸いにも、アメリカの ほんとうにびっくりするくらい おいしい精肉は一般には入ってきていないので)そこそこおいしいじゃがいもが、 1個10円で、 国内産のじゃがいもが30円だったっとき、 国産だという理由がどのくらい効いてくるのかな?と思います。 キウイに全く抵抗がないのと同じように、かぼちゃといえばニュージーランド!になる日も 残念ながら 遠くないかもしれません。 みょうがやレンコンやゴボウのような特殊な競争力がある野菜は大丈夫かもしれませんが、 じゃがいも、にんじん、かぼちゃなど、野菜の世界のスタンダード達 は、果たして国産だという理由で生き残れるのかな。


もちろん、白桃やいちご、さくらんぼなど、世界が驚くニッポンのすごい奴は ばんばん海外に出たらいい。・・・ということは、いずれ、日本には、そういう特殊な、日本ならではの、世界で勝てるものを作っている農家しかなくなるのでしょうか?

私も、やみくもに、農業だけを農業だからといって保護するのは賛成できません。でも、まじめに、普通のじゃがいもやにんじんを作っても食べていけない国になっちゃうとしたら、やはりどこかおかしい。
そして、この問題は、買う側の問題だと意識したいと思うのです。言われているように、食はかつてないほど二極化していて、クラス社会化が可視できる分野。 気づいたら、口に入る物はオール海外産、 一方、口に入る物はすべて国産で有機、 なんていう二極化もおきるでしょう。 後者はなにしろお金もかかります。 特に子供は自分で選べないですし。 社会全体の答として、それもよしとするのでしょうか? あるいは、学校給食はすべて国産とか、そんなことを後から考えるのでしょうか?


私にも答はありません。 でも、ただ、自分が、 地道に野菜や米を育てたり、酪農したり、さらにはそれらを使った商品を 買うだけではダメだなと思うようになってきました。 こういう仕事をさせてもらっている以上、なにか、アクションすべきだし、すでにアクションを起こしている人をお手伝いするなりしなければと、焦り始めました。 買うことが応援につながるのはもちろんはじめの一歩ですが、それだけではこの流れは止まらないのではないか? とはいえ、なーーーんにもできないんだけど、もしかしたら、同じような気持ちの人が何をしたらいいのかわからなくて焦ってるかも・・とも思っています。 そんな人いない? いたら、バラバラでは小さなエネルギーなので、いっしょになにかできたらとも。

今回、バスク地方を旅して、あらためて、自分で農産物を作るところから関わるトップシェフが増えていることに感心しました。 私は、材料が料理の7割だと思っている派なので、すごく共感し、楽しめました。でも、一方で、ガストロノミはやはり非日常の世界。だからすてきだし、だから特異性がいるし、だからそこまでやる!わけです。 でも、いまおきている野菜の関税撤廃や自由貿易の加速は、日常のこと。選ばれし野菜たちとはまた違う世界の、私たち家庭の台所の毎日のことであり、普通の生産者にとっては生きることであり。

私は、地方育ちで、何も考えなくても、近隣の 海 山 の幸を もりもり食べて育ったこともあり、地産地消っていう言葉に、つよい違和感があります。そこに登場する生産者さんが先進的な人が多いせいもあり。究極の日常なのに、ファッションの香りもして、都会もんが考えたという印象しかなくて。

 でも、地産地消どころか、国産国消さえも、あたりまえではないんだ、あたりまえじゃなくなるんだ、もしかしたら贅沢なことになるのかも?と と少し意識しなければなのですね。

世界で唯一、日本語を話し、 消えゆく少数民族候補であり、和食も保護対象になった(世界遺産ってそういうこと)今、 なにがおきているのか、あらためて考えないとまずいってことです。

日本が電気製品や部品を輸出しやすくなる恩恵のために、農業市場を差し出す?ってことなのか?そうじゃなくて、かえって、強い農業を作りだそうという覚悟なのか?

まずは、よーーーーく考えます、よかったら、あるいはもしまだ 自分のこととして あまり考えてなかったら、一緒に考えましょう。 今起きていることが私たちの5年後、10年後にどんな影響を与えるのか。 想像し、止めるべきことは止めるアクションを 小さいながらも 起こしましょう。 

さて、なにができるか、(さきにやることあるだろっ!と言われつつも)。これやって!とかあったら、教えて下さい。

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