醤油をめぐる、絶滅へ向かう日本の伝統製法と物語のあるモノづくり ~その1


今日は、醤油のことです。

その前に、私が調味料に執着する理由も伝えておきたいと思うのです。

これまで、何回もこのことをブログに書こうと思いながら、書けずにいました。大好きで、深く深く追求したい、すべて味見したいと思う、私にとって大事な調味料。いろんなところで、ご紹介もし、お話もしているし、調味料の製造現場を見て回るのは、今や私のライフワークです。いわば、おたく・・と言うことだと思います。

私が、探求の対象にしている調味料は(笑)、塩、醤油、砂糖、みりん、酢、そして時々 味噌です。自分の料理でも、これ以外の調味料を使うことはほぼありません。これらが、味噌以外は自家製ではなく市販のものを使うことになるから、気になるのかもしれません。とはいえ、私は決してフード左翼ではないので、有機とか言う前に、美味しいかどうかが一番大事。簡単に言うと、おいしい調味料を探し回っている、わけです。(なーんだ。)

なぜ、おいしい調味料、うなるほどおいしい醤油や、飲みたくなるみりんを探すかと言うと、いちばん簡単に毎日の料理がおいしくなるからです。ややこしい道具や複合調味料を用意したり、複雑な調理のプロセスを身につけたり、料理教室に通うより(ぐふふ)、例えばおいしい醤油1本で家庭の食卓はぐっとあがります。(しつこいけど、ここでいう調味料は、あくまで基本のさしすせそ。)

例えば、ヤマロク醤油の生あげ鶴醤を、千丸屋さんの生湯葉にたらりと。これはもう、へたな割烹料理屋さんよりおいしい。ヤマロク醤油さんは、なによりも、おいしいから選んでいるけど、木桶で仕込んでいて生きている菌がたっぷりで、しかも再仕込みで、国産大豆で・・・と結果的に、身体にも優しい。ということで、とにかく、食いしん坊の延長線上に調味料めぐりがあるのです。このことだけは、これから書いていこうとする内容の前に、どうしても伝えておきたいのです。ただ、おいしい調味料を食べたい使いたい、その一心だと言うこと。

さて、それで、お店で知らなかった調味料を見ると、買って味見する日々から、だんだん、作っているところを見に行きたいなとおもうようになりました。その始まりは、実はイタリアでした。とあるバルサミコ酢に出会い、そう言えば、どうやって作っているのか?どうにも気になって、出会いから6年後かな、その工場に見学に行ったのです。そのときのことはこちらに。惚れたバルサミコ工場を訪ねる★

そして、すばらしき工程を知り、伝統に触れ、ソウルフードとはこういうものかと思い、高くて当たり前だなと思い・・・はて?醤油ってどうやって作ってるんだろう?と。

私はこのボローニャから車で2時間近いところまで来て、バルサミコの伝統製法に感涙いしているけど、日本の伝統調味料のことなにもしらなくていいのかな?おいしいおしいとか言ってるけど、大丈夫か?と思い至りました。まあ、前世がイタリア人なので、まずはイタリアだったのかもしれないのですが。

それまでも、酒蔵へ行って、みりんをみせてもらったりはしていました。(西の酒蔵はみりんをつくっているところも多い)それで、おいしい、おいしい、ただそれだけ。もちろん、おいしいものに出会うだけでも幸せだったのですが、それだけでは飽き足らない。どうやって作っているのか?何が大変なのか?どこが伝承なのか?知りたくてたまらなくなったのです。そう、なぜかイタリアのバルサミコの現場で。

帰国して訪ねたのが、某京都の醤油屋さんや長崎の愛用している醤油工場でした。長崎の醤油はかなり近代的で、木桶ではなく、まさに工場。そこで、今は木桶ではなく、FRP防水されたタンクで作るんだな~と。一方、京都のその醤油屋には、木桶があり、そうか~こうして木桶で作っているところもあるんだね、やっぱり、と納得して帰ってきたのですが、その後、私自身も本を読んだり、醤油造りのお話を聞く会などで学ぶうちに、ぬぬぬぬ???と。

結論から言うと、その京都の醤油屋さんでは、醤油はほとんど作っていなかったのです。小豆島の大手醤油会社から桶買いと言って、醤油(できあがっている)を買いそこに、少しだけ作っている自分の醤油を足して、自分の屋号で出荷していたのでした。つまりは、OEMです。相手先ブランド名で製造というべきか、納入先商標による受託製造的な?いや、もしかすると、自分の会社用ではなくスタンダードな醤油を買って、自分のわずかな醤油で味付けする?ようなことだったのかもしれません。

しかし、今では、これがものすごく多いことがわかりました。オーガニックブランドの醤油でおいしい!と思ったら、ヤマヒサ醤油じゃんとか。(ヤマヒサさんのことはまた次回)

ちょうどその頃、某お店での醤油を作る会に参加しました。発酵ブームが始まるちょっと前のこと。そこでまた衝撃を受けます。用意されていた材料が、脱脂大豆だったのです。大豆のいわば絞りかすです。えーーーっと。ご承知の通り、安価な醤油は ほぼほぼ脱脂加工大豆でつくられています。だからこそ、そうでない醤油は丸大豆醤油と書く訳です。自分で醤油をつくりたくてワークショップに参加したのに、なにがうれしくて脱脂大豆で???と。でも、みんなが嬉々として作る姿を見て、うーむ、これはもしかしたら、ファッションなのかな?と。

このふたつの出来事から、私の醤油めぐりに、本腰が入ったように思います。よし、本物を探したいぞう!でもあくまで、自分の目で。そして見せていただけるところから回り始めました。そんな中で、はじめに衝撃を受け、納得もしたのが、小豆島のヤマロク醤油さんでした。

私のヤマロクさんとの出会いは、菊醤という、黒豆が原料の醤油。たしか4年?前の誕生日に、友人のHちゃんから、いただいた醤油が菊醤だったのです。ものすごくおいしい!と思いました。しかしそれはDEAN&・・・・のパッケージ。よく見るとヤマロク醤油。これもある種のOEMかな?と思いながら、ともかく、訪ねることにしたのです。しまなみ海道を自転車で渡って、そのあと、香川から小豆島へ。(このとき、福山で、ずっと使いながら気になっていた、ともえみりんへも行きました、この話もまた。)

他の醤油屋さんも見て、信頼する方から、醤油のお話も聞き、そしてヤマロクさんへ。いつも、料理の仕事をしているとか言わずに行きます。

ここで、ほんとに、驚きの光景に出会ったのです。

続きはその2で。 

�B-L--�B 5 (2)

はじめて伺ったとき。↑

 #########